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物流社員のコラム

船舶代理店とはどんな仕事内容?現役社員がわかりやすく解説!

おつかれさまです、「物流社員はつらいよ」管理人のものながれロジ男(@butsuryuman)です。
「物流社員はつらいよ」では、物流業界で働く社員に向けてリアルな情報を発信しています。

今回は、船舶代理店とは実際にどんな仕事内容なのかを解説します。

船舶代理店の現役社員が忖度なしに紹介しているので、船舶代理店の求人広告には載っていないリアルな情報を知ることができます。

船舶代理店は、一言でいえば「なんでも屋さん」です。

こんな人に読んで欲しい

・これから船舶代理店として働きたい
・船舶代理店に興味を持った
・船舶代理店の求人を見てもイメージが湧かない
・船舶代理店のリアルを知りたい

あなたは「船舶代理店」と聞いた時、どんなイメージをしますか?

船の中には赤い絨毯にシャンデリア、ロビーに案内されて紅茶とケーキが出されておもてなしをされるんでしょ?

クルーズ船をイメージされた方には悪いですが、それは理想に過ぎません。

理想現実

キラキラした仕事をイメージした方には残念ですが、船舶代理店の仕事は予想以上に泥臭くて地味な仕事が多いんです。




船舶代理店の仕事に向いている人

船舶代理店は一般的な物流事務と比べて特殊な仕事です。
どの職業にもありますが、船舶代理店の仕事にも適性があります。

船舶代理店に向いている人

英会話が好きな人
外国人が好きな人
地味な作業に耐えられる人

日本人が船長なら言語の壁はないですが、コンテナ船のような外航船は全く状況が違います。

ことばの壁だけでなく、その国の文化や性格が加わってくるので、英会話だけでなく外国人への理解力も備えておいた方がいいです。

また、船舶には突然のトラブルがつきものです。
エンジン故障、船員の脱走、船員が大怪我で緊急入院、船舶同士の衝突事故・・・

こういった突然のハプニングに対応しなければならないのが船舶代理店なわけで、慌てずに淡々と業務をこなす器量が必要です。

船舶代理店に向いていない人

マニュアル人間
まじめ人間
英語を話せないアピールする人

船舶代理店は、船会社の希望に沿って仕事をしていますが、基本的にはワンマンです。

ちなみに、指示待ち人間だと代理店業務に支障が出ます。
一方、物事を真剣に考えてしまうまじめ人間でも、心にストレスを抱えやすくなります。

つまるところ、何事も割り切れるような気負いでいくのがオススメです。

「船舶代理店は、英語が話せないとだめですか?」とよくきかれますが、日常会話程度のレベルは必要です。

余裕がある人はオンライン英会話の無料お試しレッスンを利用して、英会話に慣れておくと採用されやすいと思います。



船舶代理店の仕事の流れ

一般定義として、船舶代理店とはこのような内容になっています。

船舶代理店業とは、船社の所有船、傭船、及び運航受託船等が特定の港に入出港する時、その代理店契約にもとづき、入出港に関わる代理店業務の一切を取り扱うことを業とする事業をいう。
日本船舶代理店協会引用

ポジティブに言えば、入出港に関わる業務のスペシャリスト
ネガティブに言えば、船の雑用です!笑

船舶代理店が仕事をもらうまで

船舶代理店がお仕事をもらう一般的なパターンはこうです。

外国拠点の会社が運航する船舶が日本に入港する場合は、日本の総代理店が窓口になり、各港のローカル代理店に代理店業務が落とし込まれていきます。

船会社
船会社
我々の船が東京港に入る予定なんだけど、代理店依頼して良いかな?
船舶総代理店
船舶総代理店
では、東京港の代理店を紹介しますね〜。

このようにして、本船が入港する港の代理店が決まっています。

定期船の場合は同じ代理店を使うことが多いですが、不定期船は船会社から直接現地代理店に依頼が来ることもあります。

船舶代理店は王様ゲーム

船舶代理店とって船会社(船長)命令は絶対です。

法律や規制に触れない限り、船舶代理店である以上は船会社の意向に従わなければなりません。

代理店業務を請け負う前に代理店契約を結ぶことになっており、契約の中に「船会社・船長に従います」といった文言があるはずです。

とはいえ、船会社や船長の性格によって仕事のモチベーションが大きく変わるのも事実。

「え、そんなに大変なの?」と不安を煽るつもりはないですが、船舶代理店はいかに大変なことかを知っておいていただければ幸いです。

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船舶代理店の大まかな仕事の流れ

船舶代理店業務は、大きく分けて3つのフェーズに分けられます。

・入港前の手続き/立会
・在港中の対応/立会
・出港時の手続き/立会

次の流れが、普段私がやっているルーティンです。

求人の仕事内容にはシンプルに書かれていますが、実際はこういった「名もなき業務」が多いということを頭の片隅に置いておいてください。

①本船の入港必要書類を船会社に依頼
②各省庁向けに入港書類を作成して提出
③入港当日、岸壁にて入港立会
④在港中のオーダーを全般的に元請け対応
⑤出港立会

船舶代理店の仕事は、手配業務が8割を占め、残り2割は現場立会・官庁の提出です。

次に、船舶代理店業務の肝となる本船入港前の手続きについて解説します。

船舶代理店の仕事内容

船舶代理店は、ローカル港の情勢・規制に精通するという前提で船舶代理店業務を受けるので、関係する各官庁に責任を持って申請を行わなければなりません。

申請方法は2つ

①ファックスでペーパー申請
②NACCS(ナックス)情報システム電子申請

特に代理店業務で大事なのは、本船が入港する前に各所に事前連絡する「入港前通報」です。
これを一つでも漏れてしまうと重大なミスにつながり、最悪のケースは「入港停止」になるかもしれない、責任重大な業務です。

荷役に関わる料金は膨大な金額になるため、代理店のミスで本船スケジュールが遅れるとなれば賠償金が何千万単位でかかってくる場合もあります。

そんな重要な仕事、入港前通報は5つに分けられます。

業務内容通報する官庁名
荷物税関
重油漏れ運輸局
船舶の安全性海上保安部
疫病対策検疫所
船員/便乗者の入国審査出入国在留管理庁

ここからは、具体的にどんな入港通報するのかを官庁ごと解説していきます。

①違法物品がないか税関に知らせる

税関は、違法物品の密輸入を取り締まる番人です。

主に輸出入貨物の取締、チェックを行い、外国貨物の輸出入における申請手続/許可、入出港時の手配/尋問及びトン税等の徴収を行います。

船舶代理店は、どんな貨物を持っているのか、またはヤバイものを持ってきていないかを「税関の目」になって本船から情報をもらいます。

ヤバイものの代表格、白いもの、黒いものですよ。(察するところです)
ちなみに税関の密輸担当窓口番号が0120ー461(しろい)961(くろい)です。

②油漏れの保険加入を運輸局に知らせる

運輸局は、SOLAS条約に絡む直入時の油濁(P&I)通報の受理/許可を行っています。

また、本船が日本領海内で油漏れになった時に備えて、政府が指定する保険会社の保険に加入されているのかを確認した上で運輸局に通報をしなければなりません。

クルマで言うところの自賠責保険みたいなイメージです。

2020年7月末にインド洋モーリシャス沖で座礁した三井商船運航の貨物船が重油を1000トン以上漏らし、前代未聞のニュースになりましたね。

その時にも、PI保険証券(油濁損害賠償保険)が適用されたのではないかと思われます。
でないと船会社は吹っ飛んでしまいますからね!

③船舶情報を海上保安部に知らせる

海上保安部は、清水港の安全確保且つ海上の保安等を使命とし、日本の港のの保安/取締を行っています。

船舶代理店は、海上保安部に船舶情報を送ります。
海上保安部は日本の港に入港してくる船舶が、危害を加えない船舶かどうかを確認しなければならないからです。

船舶情報は多過ぎてキリがないです。
船の長さ(LOA=Length Over All)や総重量(G/W=Gross Weight)だけでなく、IMO(国際海事期間)やコールサイン(信号符字)など、船舶ごとに登録された番号があります。

それらに加えて代理店が詳しい情報を海上保安部に通報することになっています。

担当者レベルから言わせてもらうと、規定のフォームで海上保安部に情報を流しているだけなので、具体的にどういったチェックをしているのかはわかりませんが、いずれにせよ入港する船舶が違法船舶だった場合は、即時拿捕(だほ)されて尋問が行われるでしょう・・・

海上保安部の公式ホームページには、入港通報の目的を次のように書かれています。

SOLAS条約(海上における人命の安全のための国際条約)の改正に伴い、「国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律」が制定され、平成16年7月1日から、外国から日本に入港しようとする全ての船舶は、国際航海船舶であるか否かにかかわらず、入港前に所定の海上保安部署に対して船舶保安情報の通報が必要となりました。
この改正は、港湾の安全を保ち、また危害発生の恐れがある船舶に対しては入港を拒否するなど国際海上運送に対する不法な行為の防止を目的としています。
国土交通省、海上保安庁公式HPから引用

④伝染病の有無を検疫所に知らせる

検疫所は、伝染病の病原体が国内に持ち込まれのを防ぐため、各港や飛行場などで 乗客、船員及び貨物を検査し、必要に応じ隔離及び消毒等措置を行っています。

船舶代理店は、日本の港に入港する直前に、ウイルスに感染している船員や便乗者はいないかを船長を通じて確認します。

日本では馴染みのないエボラ熱や、インフルエンザ・コロナウイルスもチェック項目となっていますが、WHO(世界保健機関)がウイルスの感染拡大状況に応じて取締り内容が変わります。

万が一、ウイルス感染者が発生した場合は、その船舶は「汚染地域扱い」となり、隔離対象され、検疫官が検査して結果が出るまでの間は人の往来・荷役も何もできなくなります。

⑤乗組員情報を入国管理庁に知らせる

入国管理庁は、外国人や日本人の出入国審査を始め、日本人に在留する外国人の管理、外国人の退去強制、難民の認定及び外国人登録に関する事務を行っています。

本船が海外から入港する前に乗組員リストをおくりますが、これは本船にやばいやつが乗船していないかをチェックさせるためです。
書類は、船員/便乗者のリストを入国管理庁に通報することになっています。

やばいやつとは、過去に船から脱走したり、国内で警察のお世話になったことのある乗組員のことです。
北朝鮮は例外なしにアウトです。

もし危険人物が本船にいた場合は、原則上陸禁止扱いです。

以前、入国管理庁から特定の船員の情報を何度も聞かれたことがありました。

理由を問いただすと、「国際指名手配犯と同姓同名の船員がいます」とのこと。

結果、国際指名手配犯とその船員は別の人物だったのでそのまま審査が進みましたが、最初聞いた時はドキっとしたことを覚えています。

船舶代理店の仕事内容まとめ

船舶代理店は大変な仕事ですが、やりがいや楽しさは間違いなくあります。

もし船舶代理店の仕事に向いているか興味があれば、適性検査をしてみるのはいかがですか?

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以上、船舶代理店の仕事内容を解説しました。

何か質問・知りたいことがあれば遠慮なくご連絡ください。
Twitter(@butsuryuman)から受け付けております。

今後もこのつらい業界を生き抜いていきましょう。

ものながれ(@butsuryuman)でした。

貿易事務
ものながれロジ男
ものながれロジ男です。現在の物流現場に限界を感じ、良き社員でいることに見切りをつけた物流社員。当サイトの管理人/貿易事務歴10年/現在輸入海貨業務担当
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